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幸福度の高い北欧諸国、その背景にある教育と子育て

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住広ホーム インターデコハウス秋田 ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引士 畠山雄大

住広ホーム株式会社(インターデコハウス秋田)
取締役統括部長 畠山 雄大(はたけやま たけひろ)

宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー
住宅ローンアドバイザー

ファイナンシャルプランナーの目線で住宅を検討しているお客様の家づくりのアドバイスをさせていただいております。
いつでもご相談いただければと思います。


こんにちは、ファイナンシャルプランナーの畠山です。

北欧文化の特徴の一つとして、幸福度の高さが注目されています。2018年3月に国連が発表した「世界幸福度ランキング」。それは「人口当たりGDP」「社会的支援」「平均寿命」「人生選択の自由度」「寛容さ」「社会の腐敗度」といった幸福度をはかる6項目を指標として、幸せの質を数値化しランキング付けしたものです。

順位を見てみると、1位フィンランド、2位ノルウェー、3位デンマークとなっており、北欧諸国が上位を占めているのがわかります。では、どうしてこれほどまでに北欧諸国の幸福度が高いのでしょうか?

北欧諸国とは

北欧諸国とは、フィンランド、ノルウェー、デンマークのほかに、スウェーデンやアイスランドなどを含めたヨーロッパ北部一帯に位置する国々を指します。日本では北ヨーロッパと呼ぶこともあります。

「世界幸福度ランキング」については3位までしかご紹介しませんでしたが、実はアイスランドも4位にランキングされています。

各国において諸事情は異なりますが、幸福度が高い理由として豊かな自然環境や充実した社会制度など、いくつかの共通点が挙げられます。

北欧諸国の幸福度が高いのはなぜ?

豊かな自然

「自然=癒し」というように、自然の中にいると澄んだおいしい空気が体を巡り、心が安らぎ、リラックスすることができます。自然の中では創造性や幸福度、集中力が上がるといった研究結果もあり、自然豊かな環境は北欧の国々の幸福度にも少なからず影響を与えていると考えられそうです。

医療費が無料

上位3位に挙がっているどの国も医療費は無料です。また、その医療サービスは世界水準的にも高く、特にデンマークやフィンランドは欧州の中でも優良と言われています。世界保健機関(WHO)欧州医療政策協力センターであるロンドン大学政治経済学部のあるグループが行った調査研究の中で、自国の医療に満足している人の割合1位がデンマーク(90%)、次いでフィンランド(86.4%)という結果も報告されています。

デンマークでは、すべての国民にかかりつけのホームドクターがいるそうで、病歴や家族、職業など知り尽くしているので信頼して診てもらえます。ホームドクターの存在が精神的な安心感にもつながっているんでしょうね。

学費が無料

小学校から大学院までの学費が無料で、誰でも平等に学ぶ機会が与えられています。例えば、会社勤めをしながらMBA取得や自己啓発のために大学院に行く場合でも学費はかかりません。一度社会に出てから、やりたいことや方向性が変わるなどして再度大学に入り直すとしても、経済的なコストが低いので積極的に動けますし、選択肢の幅も広がりますよね。

労働時間が短い

北欧の国では労働時間を法律で定められた上限時間より短い時間で終わらせている企業が多いようで、例えばノルウェーでは15時から16時には退社する場合がほとんど。17時には夫婦で夕食を作ったり、子どもと遊ぶなど家族が家に揃って一緒に過ごす時間を大切にしています。フィンランドでも一般的会社員の退社時間は16〜17時頃。きっちり8時間労働で残業もほぼなく、平日でも有意義に過ごせている人がとても多いそうです。

「モノ」に固執しない

ある取材で北欧の人たちに「何か欲しいものはありますか?」という質問をしたところ、その答えに物質的な「モノ」をあげる人がほとんどいなかったそうです。そのかわりに「家族の健康」や「友人など周りの人の成功」「子どもの安定した将来」などといった回答が多かったそうで、心の欲求を満たすのが「物質的価値」ではないということがわかります。

北欧は医療や教育にかかる費用が無料で手厚い社会制度が受けられる一方、国民が高い税金を納めていることでも知られています。

消費税25%、国民負担率70%という高負担でありながら、不満が出ないのは税金の使い道が不透明な日本と違い、とてもわかりやすく政治家への信頼も厚いからだそうです。国民が要望を言いやすく、その要望が政治に反映されやすい仕組みが整っているんですね。

上に「学費が無料で、誰でも平等に学ぶ機会が与えられている」と書きましたが、北欧諸国では子育てサポートも充実しており、出生率が高い傾向にあります。良い成績・受験が優位に立つ学歴社会とは異なり、"個"を尊重した「自分らしい生き方」が優先されているのも特徴的です。

幸福度ランキング上位2か国における教育と子育てについて注目してみたいと思います。

フィンランドの教育と子育て

質が高い「フィンランド教育」

フィンランドの子どもの学力は世界トップクラスであり、その教育の質の高さが注目されています。フィンランドでは、1クラスを20人程度の少人数にし、補修制度も導入、学力格差の少ない教育をしています。

図書館が充実しており、読書の量が世界一というのも学力向上に影響しているようです。「読書が趣味」という生徒の割合が41%にもなるそうです。また、教師の質も高く、修士号を取得した人しか教師になれません。

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夏休みが2カ月もあるため、年間の授業日数は190日と世界でもっとも少ないのですが、小学生ではテストや宿題はほとんどないそうです。それはテストや順位を競うために勉強することよりも、自分のために学ぶという姿勢が教育の根本にあるからです。休みにはしっかり休むことで勉強へのモチベーションも保たれているんですね。

世界一しあわせな子育てができる国

過去に「お母さんにやさしい国ランキング」や「男女格差ランキング」で上位となっているフィンランドは、子育て支援と男女共同参画社会の充実度の高さが世界的に認められています。女性のほとんどがフルタイムで働いていることからも子育て支援の手厚さがうかがえます。

まず、保育制度が充実しています。母親の就労有無に関わらず誰もが保育園に入れます。2015年からは、小学校入学前の就学前教育が義務化され、すべての子どもが遊びながら自由に学ぶカリキュラムを無料で受けられます。待機児童は存在しません。

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出産・子育てで特徴的なのが、どの自治体にもある「ネウボラ」という子育て支援制度で、妊娠から出産、そして子どもが6歳になるまで同じ人が切れ目なくサポートしてくれます。保健師や助産師などの子育てのプロが、一人一人に担当としてつき、定期的にじっくり面談を受けることができます。母親と子どもはもちろん、家族全体を支援してくれるのでとても心強い存在ですね。

出産した時に支給される「育児パッケージ」も魅力的です。北欧デザインのおしゃれなボックスには出産後の育児で必要な物品が50点も入っていて、ボックス自体がベビーベッドにもなるという優れものなのだそう。

フィンランドには「イクメン」という言葉はなく、父親が子育てするのは当たり前と受け止められています。「母親休業」はもちろんしっかり保障されていますが、それに加えて父親か母親、もしくは両方が取ることのできる育児休業として「親休業」というものが別で用意されています。さらに父親休業というものもあり、取得率は約8割にもなるそうです。

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ノルウェーの教育と子育て

学歴よりも自主性を尊重した教育

ノルウェーの教育では「18歳の自立」が基盤となっていることが特徴です。大学までは授業料は無料、義務教育の間は教科書からノート類まで一切費用がかかりません。子どもたちは地域の公立校に通います。一人ひとりの個性が大事にされ、「自信」(生きる力)を身につけていきます。少人数教育なのはフィンランドと同じようです。

子どもの頃から自主性を尊重し、良い成績をとるよりも「自分らしい生き方を見つける」ことのほうが優先されています。夏休みは2カ月半近くと長期になりますが、こちらも宿題はないそうです。

18歳で高校を卒業し、成人すると親の家を離れていきます。ノルウェーは徹底した平等と個人主義の国なので、妻は夫に依存せず、大人はそれぞれが経済的に独立しています。そのため、子どもも親からできるだけ早く独立しようという考えがあります。

独立後は自分のやりたいことを自分で決め、大学へ進学したり、仕事に就いたりと目的をもって先に進んでいきます。それに対し親は子どもの人生に口を出さず、お金も出さないそうです。

子どもの権利を最優先

ノルウェーは独立が早く、自立心旺盛な国ですが、それは子どもに対しても同じで、「子どもの権利を最優先する国」と言われています。子どもを一人の人として尊重し、怒鳴りつけたり、「こうすべき」という押し付けた接し方もしません。日本で言う「しつけ」という考え方がなく、「それぞれの子が、そのままでいい」というのが基本的考え方になっています。

育児休業制度が充実

ノルウェーの高い出生率を支えているのが、充実した育休制度です。妊娠・出産を理由に仕事を辞める人はほとんどいません。育休後には男女関係なく同じ職場の同じポジションに復帰できるよう法律で定められています。

特筆すべきは、父親の育児休暇制度が義務付けられていることです。夫婦合わせて最大54週取得可能ですが、このうち最低12週間は父親がとらなければいけないことになっています。育児休暇は子どもが3歳になるまでの間、好きなときに好きなように分けて取得可能なのも魅力です。

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また、復職後の制度も整っており、12歳以下の子どもを持つ労働者には年間10日間の「子ども疾病休暇」が認められています。子どもが3人以上いる場合には15日に拡大され、給与は100%支給されます。

ノルウェーでは保育園を「就学前の幼児教育の場」と位置づけて、希望すれば誰でも保育園に入れます。フィンランド同様、待機児童はいません。

これだけ子育て支援制度が充実している国であれば母親の不安やストレスも少ないでしょうし、出生率が高いのもうなづけますね。

デンマークの教育と子育て

充実した保育制度

ヨーロッパの中で女性の就業率が最も高い国として知られるデンマークでは、10歳以下の子どもを持つ母親の約8割がフルタイムで働いています。さらに子どもの年齢の上昇とともに母親の働く割合もパートタイムも合わせて9割近くになるそうです。

1988年、デンマーク政府は「すべての子どもは教育的で良い刺激を受ける環境としての公的通所保育施設を使えるよう保証する」ことを国民に約束しました。

これにより、子どもたちは親の就労の有無や収入、家族の状態などに関わらず様々な保育施設を利用することができており、日本のような待機児童はいません。

例えば、生後6か月から2・3歳児までを対象とした乳幼児託児所や自宅で4~5人までの子どもを保育する保育ママ(家庭的保育)、3~5歳を対象とした保育所、9歳まで対象とする総合保育所などがあるそうです。

また、7歳で国民学校に入学する前の1年間を過ごすための「幼稚園学級」というものもあります。これは国民学校での生活に慣れるために教育省が定めた任意の制度です。

義務教育ではありませんが、無償で、学校入学の準備ができることから、多くの子どもが通っています。

自然の中で子どもを育てる「森の幼稚園」

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デンマーク発祥の「森の幼稚園」とは、森の中で自然との関わりを通して、子どもたちがさまざまなことを体感し、感性を磨きながら、主体性を伸ばしていく教育です。

自然の中では予期せぬ事態が起こりますが、そのような環境で子どもたちは自分で考え、工夫しながら解決する力を身につけていきます。

このような適応力を身につけることは子どもの脳の発達にも良い影響を与え、コミュニケーション能力の向上にもつながります。

この森の幼稚園は、1950年代にある保護者の「小さい頃から自然に触れ、自然の中でのびのびと遊ばせたい」という想いが起点となったそうです。

今では他の北欧諸国だけでなく、他の国々にも広がりを見せており、日本でもその幼児教育が注目され、全国各地で体験できるようになってきているようです。

自分らしい生き方としっかり向き合う環境

OECDの中で、GDPに占める教育予算の割合が最も高い国のデンマークでは、子どもたちの幸せを重視した非競争的な教育が根付いています。

小学校では、テストや通信簿がないため、点数で評価されたり序列化されることはありません。1クラス20人程度で、子ども1人1人の能力に合わせた学びを大切にし、個別指導のように教師と生徒が近い距離で対話しながら、しっかりとコミュニケーションをとって学習を進めます。

国民学校では1年生から9年生まで一貫した教育を受け、さらにその先への進学(高校や専門学校)を希望する場合には10年生のクラスで、もう1年間学びます。

そして、この国民学校を卒業するまでに将来就きたい職業を決めて、その目的に合った進路を選択するのがデンマークの教育システムの特徴です。子どもたちは比較的早い段階から、自分の将来について考えていかなければならない環境におかれているんですね。

とは言え、進路を決めなければならない時期でも、まだ進むべき道を決められずに迷っている子どもももちろんいます。そういった子のために、親から離れて自分を見つめ直し、進路を考えるための場所も用意されています。

エフタースコーレと呼ばれる全寮制の私立学校で、30%ほどの若者が1年間、さまざまな生徒と同室で寝食を共にしながら過ごし、自分に合った進路先を考えるのだそうです。

経済的、精神的に負担が少ない子育て

デンマークでは出産費、医療費、小学校から大学までの教育費が基本的に無料です。保育園や幼稚園は有料ですが、経済的に余裕のない家庭には補助金が支給されますし、児童手当も日本に比べて高額です。

このように安心して子どもを生み育てられる環境が整っているため、平均約1.9人という高い出生率となっています。

出生率が高い背景には、経済面の補助だけではなく、子育て支援などのサポートが充実している点も挙げられます。

例えば、出産日が近く、住んでいるところも近い母親たちのグループを作り、定期的に集まってランチしたり、おしゃべりしたりして過ごす「マザーズグループ」という制度があります。

ここには担当の看護師が定期的に参加し、子どもの発育や子育てに関する疑問や不安など話を聞いてくれます。

強制ではなく、自由参加ではありますが、悩みを共有し合ったり、世間話をすることで、同じ子育てをする仲間意識が芽生えますし、相談相手ができることで一人悩んで孤独を感じたりせずに済みます。

また、父親の育児参加が当たり前となっており、ほとんどの父親が最初の2週間の育児休暇を取得しているそうです。デンマークでは、母親の産休(14週間)、父親の育休(2週間)に加え、夫婦で合わせて32週間の育児休暇の取得が可能となっています。

スウェーデンの教育と子育て

アウトドア教育

スウェーデンの教育の特徴の一つとして挙げられるのが「アウトドア教育」です。初等教育の中にはカリキュラムとしてアウトドア教育が含まれています。

スウェーデンの初等教育は次の3つから成り立っています。おもに1~6歳を対象とした"フォルスコーラン"は日本での幼稚園や保育園にあたります。6~7歳を対象とした"フォルスコーレクラス"は初等教育前の準備として受ける教育課程です。"グルンドスコーラン"は日本での小学校と中学校を合わせた義務教育課程にあたります。

また、16~19歳を対象とした"ジムナシエスコーラン"という、日本の高等教育にあたる教育課程では、環境教育センターや国際環境保存団体、NPOスポーツフィッシング団体などと連携して、より社会的な活動が多く含まれているそうです。

このようなアウトドア教育が取り入れられている背景には、「アウトドアを活用した体験型の学習を取り入れることで、生活の知恵として理解を深めてもらうことが必要」という考えがあります。

自然環境では身体的・心理的ストレスを軽減することができることから、子どもや教師の健康や幸福感を高める効果もあると考えられています。

ちなみに、スウェーデンでは小学校から大学まで、入学金や授業料が無料で、高校までは給食費も無料なのだそうですよ。すべての子どもたちが平等に学べる環境が整っているんですね。

年齢に関係なく学べる「生涯教育」

277423_s.jpg 学べる環境が整っているのは子どもたちだけではありません。スウェーデンでは、「人は1歳から生涯にわたって学ぶ」という考え方が根にあり、意欲があれば年齢に関係なく学ぶ環境を与えてくれます。

どんなに年齢を重ねていても、国からお金を借りて大学に行ったり、その他の学校で勉強したりすることは自由とされています。

実際に、大学にはいろんな年齢層の学生がいるそうで、60歳以上のおじいちゃんやおばあちゃんを見かけることもあるそうです。また、社会人になってから医者を目指すために医学部に入り直すといったことも可能です。

スウェーデンには、余暇の時間を充実させるための活動体として、読書会や音楽活動、スポーツなどの多種多様な「スタディサークル」や、社会活動をするための協会・共同組合である「フォレーニング」が存在し、多くの市民が参加しています。

世界最長の育児休暇

スウェーデンでは、子ども1人につき480日の育児休暇を取ることができ、先進国の中でも最長日数を誇ります。この日数は両親で分け合って消化するのですが、父親は最低60日間休暇を取らなくてはなりません。

この育児休暇は子どもが8歳になるまで適応されるので、後から家族旅行に使うこともできるそうです。

出産後の最初の390日は月給の80%までが保障されています。さらに、育児休暇を終えても8歳までは勤務時間を最大25%まで軽減できるという手当てがあるそうです。

安定した収入をキープしながら、安心して育児休暇を取り、ゆっくりと子どもと過ごせるというのはとても魅力的な制度ですね。

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